スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【17】僕らは八神少年探検隊・改~第5章 日記


*  *  *  *  *




光一の自宅の物置で、『たからのちず』を発見してからちょうど一週間目の土曜日。

二人は再び、物置小屋の前にいた。

さきほど光一の母が、なにやら小言を言ってから出かけたが、いまの二人に、母の忠告を聞く気など一切ない。

月曜日に図書館で検討したおかげで、『たからのちず』に関することは、なんとなく分かったのだが、調べれば調べるほど、謎が増えてきてしまい、二人はかえって混乱することとなった。

そこでもう一度、物置小屋を調べてみようということになったのだ。

再調査は、同じく土曜日に決まったのだが、なんせ光一にとっては我が家だ。

すぐそばに、なんらかの手がかりが残されているかもしれないのに、陽平から「抜け駆けは無しだぞ」と釘をさされたせいで、まるで生き地獄のような一週間を味わった。

ようやく長かった一週間が過ぎ、二人は興奮気味に小屋の前に立ったのだ。

「光一のひいばあちゃんが書いた可能性が高いんだから、なにか他に手がかりを残しているとしたら、絶対ここだよな」

「うん、そうだと思う。いま家の中にひいおばあちゃんが使ってたものは置いてないし、あるとしたら間違いなくここ」

二人は顔を見合わせて頷くと、さっそく小屋の中に入り込み、一週間前と同じように、辺りをごそごそと引っ掻き回し始めた。

しかし『それ』は、意外にもあっさりと発見することが出来た。

光一が『たからのちず』を見つけた棚の引き出しから、出てきたのだ。

やや大きめのノートで、表紙には『日記・咲子』と書いてある。

「咲子って、お前のひいばあちゃん?」

「うん」

光一は、力強く頷いてから、そろりとノートを開いた。

故人とはいえ、やはり第三者の日記を読むというのは、言いようの無い罪悪感を感じるものである。

その日記は、ほぼ毎日つけられていた。

前半は、女学校の話や友達との喧嘩など、いまの自分達とさほど変わらないような日常が描かれている。

しかし後半に進むにつれ、戦争に関わる内容に変わってきた。

誰々ちゃんがもっと田舎に疎開しただの、近所のお兄ちゃんに赤紙が届いただの、自分達が話すことはないと思われる話題が、そこにはあった。

そんな七月のある日、夜中に突然空襲警報が鳴り、家族や近所の人達と一緒に、防空壕に逃げ込んだという記載があった。

その日から数日間、防空壕での暮らしぶりが綴られている。




スポンサーサイト

テーマ : 短編小説
ジャンル : 小説・文学

お知らせ

神無月 大和

Author:神無月 大和
         

カウンター
ブロとも申請フォーム
18歳未満の方はお断りいたします。ブロとも一覧は公開しておりません。お気軽に申請してくださいませ。

この人とブロともになる

最新記事
カテゴリ&作品名(『』表記)
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。